2万円超トースター、なぜ人気?

物が売れない今の時代に、2万円超の「高級トースター」が売れているそうだ。
トースターなんてパンが焼ければいいだけ。機能も、メーカー毎に大きな違いはない。今や価格帯の底値は2千円前後だ。「枯れた技術」とさえ呼ぶ人のいるトースターと言う領域に、ベンチャー家電のばるみゅーだは切り込んだ。
「バルミューダ ザ・トースター」の価格は税込みで約2万5千円。高価格だが、どんなパンでも「お店の焼きたて」を実現する機能が「魔法」「革命」と絶賛を浴び、売れに売れているという。
食パンを1枚焼いたら違いがよく分かる。スーパーで買ってきた食パンを3分で焼き上げると、バターと小麦粉の香りが鮮やかに広がる。外はカリッ、中はふんわりの食感はエンターテイメントですらある。この製品がもたらすのは、既存のトースターでは実現できなかった「体験」だ。
この体験とは、ウェブやテレビで流通するコンテンツではない。五感を駆使して得る経験だ。毎日繰り返す習慣であるほど、変化のインパクトは大きい。
「なぜ、ベーカリーでの焼きたてと違うのか」。「別物」とでも言いたくなるぐらいの差をテクノロジーで埋めたい。試行錯誤を続けていくと、おいしく焼き上げるには「水分」が重要なことが分かったそうだ。
既存のトースターは表面を焦がしはするものの、中の水分まで飛ばしてしまう。これではふんわり感が出ないし、焼きたての香りを損なう。そこでスチームしながら、表面をカリッと焼き上げる温度調節の機能を盛り込んだという。庫内の温度を制御するために、パソコン用のプロセッサーを組み込んだとのこと。
焼きたてを届ける。この一点に技術特化し、余計な機能は付けない。技術コストに見合った価格を付けた結果が、異例の2万円超。トースターというモノを買うだけなら高いが、全く別物の体験を買うなら高いとはならないのだという。
今や安くて最低限の機能のものより、高くても特別な「体験」ができるものの方が需要があるのかもしれない。